「見せかけ融資」に警鐘!金融庁、地銀への調査を大幅拡大 - 年内結論に注目

2025-06-18
「見せかけ融資」に警鐘!金融庁、地銀への調査を大幅拡大 - 年内結論に注目
高知新聞

金融庁、地方銀行の「見せかけ融資」監視を強化へ

金融庁が、地方銀行による「仕組み貸し出し」と呼ばれる取引に対する監視を強化すると発表しました。これは、証券会社などが設立した特別目的会社(SPC)への融資が、実態は投資であるにもかかわらず、融資として扱われる手法を指します。

これまで個別銀行へのヒアリングが中心でしたが、今後は地銀全行を対象に調査が拡大されます。金融庁は年内を目処に論点を集約し、今後の対応を決定する方針です。

「仕組み貸し出し」とは?

「仕組み貸し出し」とは、SPCが発行する資産担保債券(ABS)などを担保に、地方銀行が融資を行う取引です。SPCは、複数の投資家から資金を集め、特定の資産(不動産や有価証券など)に投資し、その収益を投資家に分配します。この際、融資の担保となっているABSの価格が変動すると、銀行の貸し倒れリスクが高まる可能性があります。

金融庁が監視強化する背景

近年、金利の低迷や融資先の減少に悩む地方銀行の間で、SPCへの融資が増加傾向にありました。しかし、SPCの投資先によってはリスクが高く、銀行の経営を圧迫する可能性も指摘されています。金融庁は、このような状況を踏まえ、地方銀行のリスク管理体制を強化する必要があると判断し、監視を強化することを決定しました。

今後の展望

金融庁の調査では、SPCへの融資の規模やリスク、銀行のリスク管理体制などが詳細に分析される見込みです。調査結果を踏まえ、金融庁は地方銀行に対して、融資先の選定やリスク管理体制の強化などを指導すると考えられます。

今回の金融庁の対応は、地方銀行の経営におけるリスク管理の重要性を示すとともに、今後の金融市場におけるリスクに対する警戒感を高めることにつながると予想されます。年内の結論発表に注目が集まります。

ポイント:

  • 金融庁が地方銀行の「仕組み貸し出し」を監視強化
  • 地銀全行への調査拡大、年内結論に注目
  • SPCへの融資リスクと銀行経営への影響を分析

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