ダイエット薬「オゼンピック」で体重を落とす人が急増しているアメリカで、新たな美容整形トレンドが生まれています。それは「オゼンピック顔」と呼ばれる、薬の副作用によって生じる顔の変化への対応です。ニューヨークで美容皮膚科医として活躍するポール・ジャロッド・フランク医師は、近年、これまでとは異なるタイプの患者が急増していることに気づきました。

オゼンピックは、GLP-1受容体作動薬という種類の薬で、血糖値をコントロールし、食欲を抑制する効果があります。これにより、体重減少を促すことができるため、アメリカではダイエット目的で利用する人が急増しています。しかし、その一方で、副作用として顔のむくみ、肌のたるみ、フェイスラインの変化などが報告されています。

これらの変化は、急激な体重減少によって皮膚が余り、たるんでしまうことや、薬の影響で体内の水分バランスが変化することなどが原因と考えられています。特に、顔の皮膚は薄く、脂肪も少ないため、変化が目立ちやすいと言われています。

「オゼンピック顔」への対応、美容整形が人気に

「オゼンピック顔」を改善するために、美容整形クリニックへの相談が増加しています。人気の施術としては、以下のようなものが挙げられます。

• 糸リフト: 糸を使って顔のたるみを引き上げ、フェイスラインを整えます。
• ヒアルロン酸注入: ほうれい線や目尻のシワなど、気になる部分にヒアルロン酸を注入し、ボリュームを補います。
• 脂肪溶解注射: 局所的に脂肪を減らし、顔のラインをシャープにします。
• ケミカルピーリング: 肌のターンオーバーを促進し、肌のハリや弾力を高めます。

これらの施術は、比較的短時間で効果が期待できるため、忙しい現代人に人気があります。しかし、美容整形にはリスクも伴いますので、施術を受ける前に医師と十分に相談し、自分の状態に合った施術を選ぶことが重要です。

美容皮膚科医からの注意点

ポール・ジャロッド・フランク医師は、「オゼンピックは有効な薬だが、副作用のリスクも考慮する必要がある」と述べています。また、美容整形を受ける前に、医師にオゼンピックを使用していることを伝えることが重要であると強調しています。なぜなら、薬の影響によって、施術の効果が異なったり、合併症のリスクが高まったりする可能性があるからです。

ダイエットは、健康的な食生活と適度な運動によって行うことが基本です。オゼンピックなどの薬を使用する場合は、医師の指導のもと、副作用のリスクを十分に理解した上で利用することが大切です。