政治とスポーツの交錯:SPORTSデモクラシー提唱者の参院選後、成長戦略への警鐘と未来への展望

2025-08-03
政治とスポーツの交錯:SPORTSデモクラシー提唱者の参院選後、成長戦略への警鐘と未来への展望
日本経済新聞

時代を読み解く、SPORTSデモクラシーの挑戦

2022年の参院選挙を終え、改めて時代の大きな流れを痛感しました。本コラムでは「SPORTSデモクラシー」をテーマに、スポーツを通して民主主義のあり方を問い直す試みを続けています。今回の選挙を機に、近年の政治とスポーツの関係を深く掘り下げ、スポーツの成長戦略における危機感を訴え、未来への展望を示したいと思います。

2018年からの軌跡:モリカケ問題と政治の不透明性

このコラムを立ち上げたのは2018年。当時、社会を揺るがせた「モリカケ(森友学園・加計学園)問題」が表面化し、安倍内閣の強固な基盤にヒビが入った時期でした。この問題は、政治と特定の団体との関係の不透明さ、そして公選民の信頼を損なう可能性を浮き彫りにしました。スポーツ界も例外ではなく、政治の影響を受けやすい構造の中に存在していることを改めて認識しました。

スポーツの成長戦略、本当に国民のためになるのか?

近年、政府はスポーツを「成長戦略」の一環として位置づけ、様々な政策を打ち出しています。東京オリンピック・パラリンピックの成功を機に、スポーツツーリズムの推進や、プロスポーツの活性化などが積極的に進められています。しかし、これらの政策が本当に国民全体のためになっているのか、疑問を感じずにはいられません。一部のプロスポーツ団体や商業施設に利益が集中し、地域スポーツや学校スポーツが衰退している現状は、看過できません。

SPORTSデモクラシー:スポーツの力を民主主義に活かす

SPORTSデモクラシーとは、スポーツが持つ「公正さ」「公平性」「努力」「チームワーク」といった価値観を民主主義の理念に反映させることを目指す考え方です。スポーツの場で育まれる精神は、社会全体をより良くするために活用できるはずです。例えば、スポーツイベントの開催における透明性の確保、地域スポーツへの積極的な投資、学校スポーツの充実などが挙げられます。

参院選の教訓と未来への提言

今回の参院選挙では、多くの有権者が政治への不信感を表明しました。この結果を真摯に受け止め、政治家は国民の声をしっかりと聞き、国民のための政策を打ち出す必要があります。スポーツ界も、政治に依存せず、自律的に発展していくための仕組みを構築する必要があります。SPORTSデモクラシーの理念に基づき、スポーツの力を民主主義に活かし、より公正で、より活力のある社会を築いていくことが、私たちの使命です。

スポーツの可能性を信じて

スポーツは、人々を感動させ、勇気を与え、希望を抱かせる力を持っています。この力を最大限に活かし、社会の課題解決に貢献できる可能性を信じて、SPORTSデモクラシーの実現に向けて、共に歩んでいきましょう。

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