スポーツ市場から見えてくる経済の真実：ミズノ社長 水野明人氏インタビュー

夏の高校野球やインターハイなど、学生スポーツの熱戦が繰り広げられる季節となりました。100年以上前から高校野球の大会を支援してきたミズノの水野明人社長に、スポーツ市場の現状と今後の展望についてお話を伺いました。

少子化がもたらす学生スポーツ市場への影響

少子化の影響で、学生スポーツ市場は厳しい状況にあります。生徒数の減少に加え、中学校での部活動の縮小傾向も、ユニフォーム需要の低迷を招いています。日本高校野球連盟の統計によると、部員数も減少しており、この傾向は今後も続くと予想されます。

水野社長は、「先行きは相当厳しい」と率直に語ります。しかし、この課題を克服するため、ミズノは新たな戦略を模索しています。

国内市場の課題と海外戦略の加速

国内市場における課題を認識しつつ、ミズノは海外市場への展開を加速させています。特に、成長著しいアジア市場に注目しており、それぞれの地域のニーズに合わせた製品開発やマーケティング戦略を展開しています。

「海外市場では、日本とは異なるスポーツ文化や消費者の嗜好があります。そのため、徹底的な市場調査を行い、ローカライズされた製品を提供することが重要です。」と水野社長は強調します。

スポーツ用品の多様化と新たな価値創造

また、スポーツ用品の多様化も重要なポイントです。従来のユニフォームだけでなく、トレーニングウェアやリカバリー用品など、幅広いニーズに対応できる製品ラインナップを拡充しています。さらに、テクノロジーを活用した機能性ウェアの開発にも力を入れており、アスリートのパフォーマンス向上に貢献することを目指しています。

「スポーツは、人々の健康や活力を生み出す源です。ミズノは、スポーツ用品を通じて、より多くの人々に感動と喜びを提供していきたいと考えています。」と水野社長は語ります。

持続可能な成長に向けた挑戦

ミズノは、少子化という国内市場の課題、そして変化の激しいグローバル市場において、持続可能な成長を目指しています。そのため、革新的な製品開発、積極的な海外戦略、そして顧客とのエンゲージメント強化を推進しています。

水野社長は、「ミズノは、スポーツを通じて社会に貢献できる企業でありたい。そのために、常に挑戦し、進化し続けることを目指します。」と力強く語りました。