阪急阪神ホールディングス（HD）の角和夫（すみ・かずお）前会長が、76歳で亡くなったと7日、発表されました。2024年12月に健康上の理由で退任後、闘病生活を送っていましたが、その労を疲れて息を引き取りました。

角氏は、阪急阪神HDの経営統合を主導した人物として知られ、鉄道業界に大きな影響を与えました。特に、2005年の阪急電鉄と阪神電気鉄道の経営統合は、その功績を象徴する出来事です。統合にあたっては、両社の企業文化の違いを乗り越え、効率化と収益向上を目指した「白い改革」を推進しました。この改革は、単なる合併にとどまらず、両社のブランドイメージを向上させ、顧客サービスの質を高めることにも貢献しました。

角氏のリーダーシップは、阪急阪神HDの成長を支える重要な要素でした。鉄道事業の安定化に加え、商業施設やホテル事業など、多角的な事業展開を積極的に進め、グループ全体の収益拡大に貢献しました。また、地域社会との連携を重視し、イベントの開催や地域貢献活動にも積極的に参加することで、企業としての社会的責任を果たしました。

鉄道ファンからは、その鉄道愛と知識も高く評価されていました。鉄道に関する書籍の執筆や講演活動を通じて、鉄道の魅力を広く伝えるなど、鉄道文化の発展にも貢献しました。その功績は、鉄道業界だけでなく、多くの人々に感銘を与えました。

角和夫氏の死は、鉄道業界にとって大きな損失です。しかし、彼が残した「白い改革」の精神と、鉄道界への貢献は、今後も長く語り継がれることでしょう。阪急阪神HDは、その遺志を受け継ぎ、さらなる発展を目指していくとみられます。

角和夫氏の主な業績：

• 2005年 阪急電鉄と阪神電気鉄道の経営統合を主導
• 「白い改革」を推進し、両社の企業文化を融合
• 多角的な事業展開により、グループ全体の収益拡大に貢献
• 地域社会との連携を重視し、企業としての社会的責任を果たす