中東情勢をものともせず!世界株は堅調推移 - 金融・テックに資金集中、時価総額減少幅1%に抑える
2025-06-24

日本経済新聞
中東情勢の緊迫化にも関わらず、世界の株式市場は驚くべき安定性を示しています。イスラエルによるイラン攻撃前日からの世界の株式時価総額減少幅は、23日時点でわずか1%にとどまりました。これは、投資家が短期的な事態収束を想定し、過度なリスク回避行動を取っていないことの表れと言えるでしょう。
特に注目すべきは、ハイテクや金融セクターへの資金集中です。これらのセクターは、中東リスクの影響を受けにくく、安定的な利益成長が見込めるため、投資家の資金が積極的に流入しています。QUICK・ファクトセットのデータによると、23日の世界株時価総額は127.2兆ドルを記録。市場全体を下支えする役割を果たしています。
なぜ世界株は安定を保っているのか?
専門家は、以下の要因が複合的に作用していると分析しています。
- 短期収束シナリオの想定: 多くの投資家は、今回の紛争がエスカレートせず、比較的短期間で収束すると見込んでいます。
- 中央銀行の金融緩和期待: 世界各国の中央銀行が、景気後退を回避するために金融緩和政策を継続するとの期待感が、市場の安定を支えています。
- 企業業績の堅調さ: 多くの企業が、予想を上回る業績を記録しており、投資家の信頼感につながっています。
- AI関連セクターの成長: 生成AIをはじめとするAI関連技術の進化と普及が、ハイテクセクターの成長を牽引し、投資家を惹きつけています。
今後の展望
中東情勢は依然として不透明であり、市場の動向を注意深く見守る必要があります。しかし、現状では、世界経済の底堅さを背景に、株式市場が安定的な推移を続ける可能性が高いと考えられます。投資家は、長期的な視点に立ち、冷静な判断が求められます。
今後は、各国政府の対応や、国際的な外交努力が、市場の安定に大きく影響を与えるでしょう。また、インフレ率や金利の動向、企業の業績発表なども、注視すべきポイントです。
世界の株式市場は、中東情勢という試練を乗り越え、更なる成長を目指していくでしょう。