アジア太平洋地域の金融業界を標的としたDDoS攻撃が激化!FS-ISACとAkamaiが警鐘

金融業界にとって、信頼性と事業継続性を脅かす深刻な問題として、高度かつ継続的なDDoS攻撃が増加の一途を辿っています。FS-ISAC(金融サービス業界サイバーセキュリティ情報共有センター)と、サイバーセキュリティおよびクラウドコンピューティング分野の世界的リーダーであるAkamai Technologiesが共同で発表した最新の脅威レポートは、特にアジア太平洋地域における金融機関へのDDoS攻撃の脅威を浮き彫りにしました。
本レポートは、FS-ISACの会員である金融機関が共有する情報に基づき、Akamaiの脅威インテリジェンスと組み合わせることで、最新の攻撃トレンドを分析・検証したものです。その結果、アジア太平洋地域では、より大規模で洗練されたDDoS攻撃が頻繁に発生しており、金融機関の運営に深刻な影響を与えていることが判明しました。
DDoS攻撃の現状と特徴
DDoS攻撃は、複数のコンピュータから大量のトラフィックを送り込むことで、対象となるサーバーやネットワークを過負荷状態にし、サービスを停止させる攻撃手法です。近年、DDoS攻撃は高度化・巧妙化しており、その規模も拡大傾向にあります。特に、金融機関を標的としたDDoS攻撃は、顧客へのサービス停止や金銭的損失、そして企業の信頼失墜といった深刻な結果をもたらす可能性があります。
今回のレポートでは、アジア太平洋地域におけるDDoS攻撃の特徴として、以下の点が挙げられています。
- 攻撃規模の拡大:過去最大規模のDDoS攻撃が発生しており、金融機関のインフラを容易に麻痺させる能力を持つ攻撃が増加しています。
- 攻撃手法の多様化:単純なトラフィック送信だけでなく、アプリケーション層攻撃やマルチベクタ攻撃など、より高度な攻撃手法が用いられています。
- 標的の特化:特定の金融機関やサービスを標的とした、ピンポイント攻撃が増加しています。
金融機関が取るべき対策
DDoS攻撃から自社を守るためには、多層防御のアプローチが不可欠です。FS-ISACとAkamaiは、金融機関に対し、以下の対策を推奨しています。
- DDoS防御ソリューションの導入:DDoS攻撃を検知し、自動的に防御するソリューションを導入することで、攻撃の影響を最小限に抑えることができます。
- ネットワークインフラの強化:ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策を強化し、ネットワークの脆弱性を排除します。
- 脅威インテリジェンスの活用:最新の脅威情報を収集し、自社のセキュリティ対策に反映させることで、攻撃に備えます。
- インシデント対応計画の策定:DDoS攻撃が発生した場合の対応計画を事前に策定し、迅速かつ適切な対応を行う体制を整えます。
- 情報共有への参加:FS-ISACのような業界団体に参加し、脅威情報を共有することで、業界全体のセキュリティレベル向上に貢献します。
結論
アジア太平洋地域における金融業界を標的としたDDoS攻撃は、ますます深刻化しています。金融機関は、本レポートを参考に、自社のセキュリティ対策を見直し、DDoS攻撃から自社を守るための対策を講じる必要があります。FS-ISACとAkamaiは、今後も脅威情報の共有とセキュリティ対策の強化を通じて、金融業界の安全な運営を支援していきます。