「投資は皆で奪い合うマネーゲーム?」。元ゴールドマン・サックス証券マンが警鐘!金融教育のあり方も問う

「投資は皆で奪い合うマネーゲーム?」。元ゴールドマン・サックス証券マンが警鐘!金融教育のあり方も問う
千葉市美浜区で開催された毎日新聞企業人大学の定期講座で、作家・田内学さんが講演を行いました。元ゴールドマン・サックス証券のトレーダーとして長年活躍してきた田内さんは、現代社会における投資ブームに対し、鋭い視点から警鐘を鳴らしています。
近年、資産運用セミナーや投資関連の情報が溢れ、誰もが簡単に投資を始められるようになりました。しかし、田内さんは「みんなが投資をしても、結局はただのマネーゲームにしかならない」と指摘します。なぜなら、投資の世界は有限のお金を巡る競争であり、ある人が儲かれば、必ず別の誰かが損をするからです。
投資ブームの裏側にある「マネーゲーム」
田内さんは、市場の仕組みや金融商品の複雑さを十分に理解しないまま、安易に投資を始める人々が増えていることを危惧しています。多くの人が、短期的な利益を追求し、リスクを理解せずに相場に飛び込むことで、結果的に損失を被ってしまうケースも少なくありません。
「投資は、単なるギャンブルとは違う」と田内さんは言いますが、知識や情報が不足している状態での投資は、まさにギャンブルに近い危険性を孕んでいます。特に、ソーシャルメディアなどで拡散される情報には注意が必要であり、鵜呑みにせず、自分でしっかりと分析することが重要です。
金融教育の重要性と課題
では、どのようにすれば投資を「マネーゲーム」から脱却し、真の意味での資産形成につなげることができるのでしょうか? 田内さんは、金融教育の重要性を強調します。
しかし、現在の日本の金融教育は、十分とは言えません。学校教育で金融に関する知識を学ぶ機会は限られており、社会に出ても、適切な情報にアクセスできる環境が整っているとは限りません。そのため、企業や自治体などが連携し、より実践的な金融教育を提供していく必要があるでしょう。
田内学さんの提言
田内さんは、投資を行う際には、「長期的な視点」を持つこと、そして「リスク管理」を徹底することの重要性を説いています。短期間で大きな利益を得ようとするのではなく、時間をかけてコツコツと資産を増やしていくことが、賢明な投資の基本です。
また、投資を行う前に、自分のリスク許容度を理解し、無理のない範囲で投資を行うことが大切です。分散投資や積立投資など、リスクを抑えるための手法も積極的に活用しましょう。
今回の田内学さんの講演は、私たちに投資の本質を改めて考えさせられる機会となりました。投資は、単なるマネーゲームではなく、将来の資産形成のための重要な手段です。しかし、そのために必要なのは、知識と情報、そして冷静な判断力です。