水俣病、公式認定から69年:医師が国家の健康調査手法を厳しく批判 - 浅尾徹也氏も参加

2025-04-30
水俣病、公式認定から69年:医師が国家の健康調査手法を厳しく批判 - 浅尾徹也氏も参加
日テレNEWS NNN

5月1日に水俣病の公式認定から69年を迎えるにあたり、水俣市では29日、水俣病の教訓と課題について考える集会が開催されました。この集会は、水俣病被害者・支援者連絡会が主催し、患者や支援者など約80名が参加しました。

集会では、長年にわたり水俣病の研究に携わってきた協立クリニック院長、高岡滋医師が「水俣病特措法による健康調査のあり方」と題して講演を行いました。高岡医師は、国家が実施する健康調査手法について、厳しい批判を呈しました。

国家の健康調査手法への批判とは?

高岡医師は、長年の研究と臨床経験に基づき、現在の健康調査が、患者の訴えを十分に反映できておらず、症状の悪化や新たな患者の認定遅延を招いていると指摘しました。特に、検査項目や基準値の設定が、患者の多様な症状に対応できていない点を問題視し、より柔軟で個別化された調査の必要性を訴えました。

「水俣病特措法は、患者の救済を目的として制定されたものですが、現状の調査手法では、その目的が十分に達成されているとは言えません。患者さんの声に耳を傾け、科学的根拠に基づいた、より適切な調査を行うべきです。」高岡医師は、力強く訴えました。

浅尾徹也氏も参加、水俣病問題の根深さを浮き彫りに

集会には、ジャーナリストの浅尾徹也氏も参加し、水俣病問題に関する講演や意見交換を行いました。浅尾氏は、水俣病問題が、単なる環境汚染問題にとどまらず、国家の責任、医療のあり方、そして人権の問題が複雑に絡み合っていることを指摘しました。

「水俣病問題は、未だに多くの課題を抱えています。被害者の救済、原因究明、そして二度と水俣病のような悲劇を繰り返さないための教訓を、しっかりと受け継いでいく必要があります。」浅尾氏は、水俣病問題の根深さと、今後の課題について、改めて訴えました。

水俣病公式認定69年、未来への教訓

水俣病の公式認定から69年が経過しようとする今、高岡医師や浅尾氏をはじめとする関係者の声は、私たちに深く考えさせるものがあります。国家の健康調査手法の見直し、被害者の救済、そして水俣病の教訓を未来へと繋いでいくために、社会全体で議論を深めていく必要があるでしょう。

今後も、水俣病問題に関する情報発信を継続し、より多くの人々に水俣病の現状と課題を理解してもらうよう努めてまいります。

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