ハワイ・マウイ島山火事から2年:被災者の心身のケアが急務、長期化する健康不安と支援の課題

2025-08-09
ハワイ・マウイ島山火事から2年:被災者の心身のケアが急務、長期化する健康不安と支援の課題
福井新聞ONLINE

ハワイ・マウイ島山火事から2年:被災者の心身のケアが急務、長期化する健康不安と支援の課題

マウイ島山火事発生から2年、鎮魂と新たな課題

2023年8月8日、米ハワイ州マウイ島で発生した山火事から2年が経過しました。特に被害が集中した西部ラハイナでは、被災者たちがビーチに集まり、「パドルアウト」と呼ばれる伝統的な追悼儀式に参加しました。サーフボードに乗り、沖合に出るこの儀式は、亡くなった方々への鎮魂と、失われたコミュニティへの思いを象徴しています。

深刻化する被災者の心身の健康状態

今回の山火事による死者は102名に上り、多くの人々が家を失い、生活基盤を奪われました。新たに実施された調査によると、被災者の精神状態が悪化したことが明らかになり、健康不安の長期化が懸念されています。トラウマによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)や、将来への不安、喪失感などが深刻な問題となっています。特に、子どもたちの心のケアは急務と言えるでしょう。

パドルアウト:鎮魂と連帯の象徴

追悼儀式「パドルアウト」では、数百人もの被災者がビーチから約100m沖合の船にこぎ出し、海上で並びました。この光景は、喪失感と悲しみの中で、互いを支え合い、連帯感を確認する、力強いメッセージとなっています。海に向かって祈りを捧げ、故人を偲ぶ様子は、多くの人々の心を打ちました。

長期的な支援とコミュニティ再生への道

山火事からの復旧は、決して容易ではありません。住宅の再建、雇用の創出、そして何よりも被災者たちの心のケアが不可欠です。政府や支援団体は、長期的な視点に立って、被災者への支援を継続していく必要があります。また、ラハイナのコミュニティが再び活気を取り戻すためには、被災者自身の声に耳を傾け、共に未来を築いていく姿勢が重要となります。

今、私たちができること

遠く離れた日本からでも、マウイ島の被災者の方々に寄り添うことはできます。寄付やチャリティイベントへの参加、そしてマウイ島の現状を正しく理解し、発信するだけでも、大きな支援となります。困難な状況にあるマウイ島の人々が、一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、私たちにできることを考えていきましょう。

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