「1日1万歩」は過剰? 健康に良い効果を得るのに必要な歩数は実は7000歩程度!最新研究が明らかに

「健康のためには毎日1万歩歩くべき」という言葉をよく耳にするでしょう。しかし、最新の研究結果によると、それほど多くの歩数を歩く必要はないかもしれません。シドニー大学の研究チームが発表した研究によると、死亡リスクや慢性疾患のリスクを低下させるために最も効果的な歩数は、なんと1日7,000歩程度であることがわかったのです。
研究内容と結果
オーストラリアのシドニー大学公衆衛生学部のMelody Ding氏らによるこの研究は、The Lancet Public Health誌の8月号に掲載されました。研究では、電子歩数計で歩数を記録した7万人のデータを分析。歩数と死亡リスク、心血管疾患、糖尿病、がんなどの慢性疾患の発症リスクとの関連性を調査しました。
その結果、1日7,000歩程度歩くことで、死亡リスクや慢性疾患のリスクが大幅に低下することが明らかになりました。さらに、1万歩以上歩くことと、7,000歩から1万歩の間で、リスク低下の効果に大きな差は見られませんでした。つまり、無理に1万歩を目指すよりも、7,000歩を目標に、日々の生活に取り入れやすいウォーキングを続けることが、より効果的と言えるでしょう。
ウォーキングのメリット
ウォーキングは、特別な道具や場所を必要とせず、誰でも手軽に始められる運動です。また、心血管機能を改善し、血圧を下げ、コレステロール値を改善する効果も期待できます。さらに、体重管理にも役立ち、気分転換やストレス解消にも効果的です。
日常生活でのウォーキングを取り入れる方法
- エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用する
- 一駅手前で降りて、残りの距離を歩く
- 昼休みにオフィス周辺を散歩する
- 通勤・通学時に少し遠回りをする
- 週末は公園や自然の中を散歩する
まとめ
「1日1万歩」という目標にこだわらず、まずは7,000歩を目標に、無理なくウォーキングを習慣化することが大切です。日々の生活の中で少し意識するだけで、健康増進につながるウォーキングを、ぜひ取り入れてみてください。
参考資料:
- The Lancet Public Health: https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2666-7762(23)00158-6/fulltext