「安価すぎる米」が農業を壊壊滅させる?JAグループの闇を暴露するジャーナリストの告発

2025-06-14
「安価すぎる米」が農業を壊壊滅させる?JAグループの闇を暴露するジャーナリストの告発
文春オンライン

日本の農業界を揺るがす深刻な問題が、今、表面化しつつあります。それは「安く、まずい米」を大量に供給し続けることで、農業者の命を脅かす構造的な問題です。ノンフィクション作家の千本木啓文氏が、元日本農業新聞記者としての経験と「週刊ダイヤモンド」の記者として徹底取材した結果、明らかになったのは、JAグループの深い闇でした。

千本木氏は、日本の食卓を支える農業の裏側で、農業者が追い詰められる現実を目の当たりにしてきました。その中で見えてきたのは、価格競争の激化、過剰な生産、そして、それを支えるJAグループの複雑な構造です。

安価すぎる米のカラクリ

「安く、まずい米」は、なぜ存在するのでしょうか?そのカラクリは、過剰な生産と、それを処理するための補助金にあります。JAグループは、米の買い上げを保証することで、価格の暴落を防ぐ役割を担っています。しかし、その裏で、売れ残った米を穀物として輸出したり、エサ料として畜産業に流したりすることで、巨額の損失を生んでいます。

この損失を補填するために、JAグループは政府からの補助金に依存せざるを得なくなっています。そして、その補助金は、結局のところ、国民の税金から捻出されるのです。つまり、私たちは、安価すぎる米を支えるために、税金を払い続けているのです。

農業者の苦悩

価格競争の激化と過剰な生産によって、多くの農業者は、低価格でのみ販売せざるを得ない状況に追い込まれています。その結果、十分な収入を得ることができず、生活が困窮している農業者も少なくありません。最悪の場合、農業を諦めざるを得ないという農業者もいます。

千本木氏は、「安くまずい米を大量に供給し続けることは、農業者にとって二重の自殺行為である」と指摘します。それは、農業者の経済的な苦境を深刻化させるだけでなく、日本の農業の将来を危うくする行為だからです。

JAグループの闇

千本木氏が取材を通じて明らかにしたJAグループの闇は、多岐にわたります。例えば、JAグループの経営状況の不透明さ、役員の高額な報酬、そして、政治との癒着などです。

これらの問題は、JAグループの改革を遅らせ、日本の農業の発展を阻害しています。千本木氏は、「JAグループは、時代遅れの組織構造を変え、透明性を高め、農業者の利益を最優先に考えるべきだ」と訴えます。

日本の農業の未来

日本の農業は、今、大きな転換期を迎えています。少子高齢化、食糧自給率の低下、そして、気候変動など、様々な課題に直面しています。これらの課題を克服し、持続可能な農業を実現するためには、JAグループの改革だけでなく、農業者の意識改革、そして、消費者の理解も不可欠です。

千本木氏の告発は、日本の農業の現状を直視し、未来に向けて真剣に考えるきっかけとなるでしょう。

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